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ご覧の通り、ボディそのものはサイバーショット等のコンパクトデジタルカメラ(以後コンデジ)とほとんど変わらない。
(同梱されるフラッシュは脱着可能)
しかし、この小さなボディの中には一般的な一眼レフ機と同じサイズのセンサーが内蔵されている。(ハイエンド機を除く)
キヤノンやニコン、そしてアルファなどの一般的な一眼と同じ「APS-C」サイズのセンサーがこの小さなボディに内蔵されている。 |
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APS-Cサイズのセンサーは、一般的なコンデジのセンサーと比較すると面積にしてじつに約19倍の差がある。
一眼の写真がキレイな理由の一つはもちろんこのセンサーサイズの差だ。
この大きさが「キレイなボケ」を簡単に生み出すわけだ。
そしてもう一つの一眼の特徴としては「レンズが交換できる」ということになるが、このNEXも「アルファ」を名乗る以上、交換が可能。
今現在、このカメラの規格となるEマウントレンズはまだ「16」「18-55」の2本しか用意されていないが、9月には「18-200」という望遠ズームレンズも発売予定だ。
上や左の画像は「16mm」の広角単焦点レンズを装着したところ。 |
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そしてこれが「18-55」の標準ズームレンズを装着したところ。 これで倍率はおよそ3倍になる。
ボディに対して明らかにレンズがデカイ。 まるで「レンズにカメラをつけた」ようなこのアンバランスさが最大の特徴だといえるだろう。
しかし、見た目とは裏腹に、グリップ感、ホールド感はかなりよい。
説明が遅くなったが、このNEXはミラーレスなため、ファインダーが無く、すべて背面液晶で確認することになる。その辺はコンデジと同じだ。
ズームリングやフォーカスを調整する際に、どうしてもファインダーをのぞくポーズをとりたくなる衝動にはかられるが、これは慣れだろう。
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背面液晶はチルト可能なバリアングル液晶で、上、下どちらにも角度が変えられるので、ローアングルや、パークのような人混みの頭越しなどに撮りたいときなどにはかなり便利。
しかもこの液晶、約92万画素というデジカメではトップクラスの画素数を誇り、さらに視野角も広いため、視認性にはまったく問題を感じていない。
さらにこのNEX-5のもうひとつの特徴が「フルハイビジョン(AVCHD方式)」の録画が可能ということ。そんなわけなので外付けマイクなどもオプションで用意されている。(上右の写真)
本体内蔵のマイクの音質はかなり酷いものなので、ある程度ちゃんとした動画を撮りたいのであればこのマイクは是非揃えたいところだ。
動画に関しては、さすがに一眼サイズの巨大なセンサーを使っているため、被写界深度による「ボケ」は家庭用ビデオカメラの比ではない。
テレビ放送などで見るような、フォーカスされた人物以外のものがボケる様はインパクト大だ。
しかし、やはりそこはやっぱり「静止画カメラ」だ。
(9月に発売されるレンズはアクティブ手ぶれ補正内蔵なのだが)手持ち撮影時のブレかたは、既存のハンディカムとは比較にならないレベル。
しかもフォーカススピードも遅く、ほぼ中心付近のフォーカスを拾いにいくために構図の自由が制限されてしまう。 まあ、パークのショーなどを引きで撮影する分にはなんら問題はないとは思うが。
また、夜の撮影もあまり得意ではないようだ。
ブラヴィッシーモなどの、夜だが明るいものを撮影する、という場合はそこそこキレイに撮れるのだが、かなり暗い夜景程度の絵を撮ろうとするとノイズが目立つ。
通常のハンディカムのように様々な調整をできる機能も皆無なので、フルHDとはいえど、動画はオマケと考えた方がいい。
※ただし、昼間の風景などを三脚などでFIX状態にして撮ったときの映像のキレイさは「さすが!」と思うはずだ。
他の詳しいところは公式サイトなどを見てもらうとして、管理人が感じた「良い点」「悪い点」をまとめてみたい。
■良い点
・一眼画質なのにとにかく小さい。
これが最大の「買い」部分。
一眼レフなどは普段持ち歩く気には絶対にならないが、これであれば毎日、どこにでも持って行ける。
どんなにキレイに写せるカメラでも、持って行かなければ「写せない」のだ。
この差はとてつもなく大きい。
・手持ち夜景モードの超絶な綺麗さ
次のページから実際のパークで撮った画像を紹介していくので、それを見てもらえば一目瞭然だが、
この「手持ち夜景モード」の威力、いや、破壊力はとてつもない。
今までどんなに精神を集中し、息を止めて撮影してもぶれてボケボケな写真しか撮れなかったものが、
身構えることなく片手で簡単に、そしてキレイに撮れてしまうのだ。
言い換えると「今まで撮れないから撮らなかったものすべてが撮れてしまう」ということ。
パークで過ごす約3分の1は夜だろう。 そこで撮るもののなんと多いことか。
昼間であれば、今時のコンデジはそこそこキレイに撮れる。しかし夜になるともうどうにもならない。
極端にISOを上げるしかなくなり、それによって増えたノイズを内部処理でなんとか見れる絵を作り出すしかないのだが、
センサーが小さい以上は入ってくる光(情報量)が少ないためにどんなに絵を作っても限界がある。
このNEXの場合は、まずセンサーが大きいためそもそもの限界値が高いうえ、このモードでは連続で6回シャッターを切り、
それらを合成するという離れ業(力技か)を行い、圧倒的な絵を作る。
これは小さいセンサーではできないだろう。
詳しくは次ページを参照。
・一眼画質でパノラマ作成
さっと一振りするだけで180度以上ものパノラマ画像を撮れるこの機能も面白い。
とくにパークや観光地などパノラミックな場所ではこの機能は楽しすぎる。
サイバーショットなどでも可能だが、やはり画質の違いは大きい。
■悪い点
・操作性が悪い
コンデジからのステップアップユーザーをターゲットに目指したのだろうが、モードダイヤルすら無いのはやりすぎ。
昨今は小さいコンデジですらついているというのに。
しかもキーの数も少ないうえに、UIも練りきれていない感がありありと見て取れる。
よく使う機能が2階層、3階層まで降りなければ変えられないのはどうにかしてほしい。 ファームアップに期待するしかない。
・同梱レンズが値段相応
トータルの値段設定を考えに考えた結果なのだろうが、この2万円ちょっとの同梱レンズは「これぞ一眼!」と
惚れ惚れするような絵にはしてくれない。 解像度に問題があるのだろう。(とはいってもコンデジとは比較にもならないが)
値段を考えれば及第点なのだろうが‥‥
レンズ交換ができるので、今後のラインナップに期待したい。
・動画機能のやっつけ感
このボディで、昼間にFIXで風景撮りをするのならその映像には驚くだろう。
しかし、ズームリング以外何も操作できず、ある程度のシーン設定以外の調整や設定もできないのは
ビデオカメラユーザーからみたらやっつけの印象が強い。 やはり残念ながらカメラのおまけ、という印象だ。
暗所も弱いので、9月発売の「ビデオ用にチューニングした」というレンズに期待したいところだ。
大きな点を言うとこんなところだろうか。
ただ一つ、今の気持ちを言うとすると、「なんて楽しいんだろう!」ではある。
それでは、実際の作例を見ていただこう。
作例ページへ
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