ファンタズミック! FANTASMIC!

東京ディズニーシーの3代目となるナイトショー
約20分
正面付近から以外の鑑賞には不向きなので注意

管理人の感想


ディズニーシーシンフォニー、ブラヴィッシーモ!に続き、シーのナイトショー第3弾は
なんと本国で大ロングラン中のファンタズミック! そのジャパンアレンジだ。

以下、アナハイム版を実際に見ている管理人の観点を交えての私感の強いレビューとして読んでもらいたい。


カウントダウン以来、7ヶ月ぶりとなった年パス卒業の管理人が持っていたこのショーの情報は、
ほとんどないと言っていい状態だった。
知っていたのは「本国のものとは別物」というおおざっぱな情報とこのサイトの書き込み程度。

で、そんな状態での最初の感想としては 「 け っ こ う い い じ ゃ な い の 」 だった。

散々コストカットし、客を金づるとしか考えなくなったOLCへの期待がまったくなかったので
若干のプラシーボ効果もあったのだろうが正直、「頑張った」といえる内容だった。
とは言っても手放しで褒められた物でもない。

では内容を見ていこう。

まず最初のサーチライトの挙動。
今までのシーのショーで見慣れた挙動。新しいショーという気持ちで見始めているのに、まるでブラヴィ。
冗談抜きで頭の中でホラ貝が聞こえた。
バカの一つ覚えの動きしかできないのは情けない。
元祖ファンタズミックではこの冒頭のサーチライトと音楽がショーそのものを象徴し、最後のシメにも使われるほど重要。
実に大事な部分なのだが、既存の物を使うという経費削減版だったのが寂しい。

本編。
元祖版はウォータースクリーンに映像を映し出すのだが、シー版は電光モニターと球形スクリーンがメインになる。
一部ウォータースクリーンや水を滝状にしたものも使用しているわけだが、これがイマイチしっくりこない。
元祖版よりは格段にクリアに見えるのだが、味がない。味気ないというべきか。
それでも装置としては一般ゲストには革新的に見えるだろう。
(シーとしては今までカウントダウンなどで実用化していたものばかりだが)
これはこれでありか。

はっきり言ってこのファンタズミックは元祖版とは別物であるが、
所々はオリジナルを踏襲しているため、全体のテイストは近いものがある。
ティンクしかり、ジミニーしかり。
音楽も要所要所でオリジナルを使っているので、元祖を知るものとしては構成がつかみやすい。
しかしそれがアダとなってしまう部分もある。
その最たる部分がフィナーレだ。
元祖版に比べるとそのスケールは圧倒的にしょぼい。どこかの国のまがいものショーと言っていいほどしょぼい。

元祖版では、50〜60名ほどのそうそうたるキャラクター群がマークトゥエインに乗り、
ひとかたまりとなって全観客の前を華やかに通り過ぎて怒濤のフィナーレへと一気に流れこむ。
そしてミッキーが花火を操り、瞬間移動して決めゼリフを言い、一斉にライトが消えて大歓声が起こる。
私のなかではこれがあって「ファンタズミック!」なのだ。

ところがシー版は‥‥ キャラがポツリポツリと乗った船がいくつか遠くを動いていく。
いくらなんでも情けない。じつにみすぼらしい。
フィナーレがフィナーレになっていない。
こういうエンタメの場合、フィナーレではショー中で最高の豪華感が出なければ成立しない。
ところがいつものショーの一番最後に必ずある「キャラの顔見せ巡航」にしかなっていない貧相な内容。

さらに元祖では、まさに夢を見ているようなフィナーレパイロが乱れ撃ちされるのだが、
シー版は今までのナイトショー「ブラヴィ」や「キャンドル」の域を脱していない。
量はそこそこあるが、内容はどれも見たことがあるものばかり。
ブランニューショーのフィナーレでこれはないだろう、と。

そんなわけで、このショーは最後に向けて「盛り上がらない」
一番の不満がここにある。(途中に出てくる完全に浮いた存在の青い宇宙生物も不満だが)
ここさえちゃんと作っていれば、このショーは本国の人達にも胸を張れるショーになっただろうに。
なんでこんな手抜きをしてしまったのだろうか。

ミッキーの決めゼリフ 「いまじねえ〜しょん   はは」 も、気が抜けるテンションで、どうにかならなかったのかと思う。
ネイティブということを抜きにしても、元祖版の「some imagenation aha!」はじつに格好良くビシっとしまり、
そして文字通り「シュンッ!!」とショーが終わる。

このキレの良さ。後味の良さ。

これがファンタズミックなのだ。しかしシー版は「今までのように」終わる。残念でならない。
あのキレの良さと、脊髄反射で拍手喝采してまうあの感覚を、日本の客にも提供してほしかった。
(私の経験した限り、本国に負けないほどのこの状況を作り出したシーのショーは
 「アンコール!Xmasバージョン」だけだ)


‥と、いつもの調子で文句を随分書いてしまったが、あくまでこれは元祖版と比べた私見のものだ。
特に本国版を知らないゲストにとっては目を見張る内容だと思う。
逆に、オリジナルを知る人は「ファンタズミックとしてみると」ガッカリする可能性が高いと思われる。

しかしなんで「ファンタズミック」という名を冠してしまったのだろうか。
日本の一般客はまず知らないショーの名前なのでネームバリューがあるとも思えないし、
知る人にとっては別物としか映らないというのに。
何を考えているのか理解に苦しむ。


過去のカウントダウンの様々な技術が使いまわされているようにも見えるが、
一般的にショーとしてみればクオリティは非常に高い。
キャンドルライトリフレクションズのろうそくや、スプリングカーニバルの太陽、ベリッシーなどいろいろ使いまわしているようには見えるが、
少なくとも国内でこれ以上のショーは見ることはできないはずだ。


  シーに行ったのなら、必ず見るべきショーだと断言しておく。


‥‥それにしてもやはりフィナーレが惜しい、もったいない。


TVスペシャルのルパンを見たあとに、無意識にカリ城のDVDを見てしまうように、
このファンタズミックを見て、本国のファンタズミックムービーを見てしまったのは私だけだろうか。



■管理人の勝手にランク付け■
人気度 ★★ 撮影難度 大人度
こんな人にオススメ> 基本的に万人向き シーシンフォニー好き
ファンタジア好き ディズニークラシック映画好き